2009/12/15
立川駅前インプラントセンター 工藤歯科の工藤です。
前回は結構前になりますが、インプラント前の抜歯について書きました。
今回はインプラントで行われる診査・診断についてです。
インプラントを検討するときには最低次のようなことを調べます。
①インプラントの必要な部位の立体的歯槽骨の量・質
②咬合
③全身状態
④歯周組織検査
⑤付加的手術の必要度とリスク
⑥アレルギーの有無
①:インプラントを行いたい部位の歯槽骨の立体的状態と質
インプラントは歯槽骨内に適用されるので歯槽骨の状態をまず調べます。
これには、X線マイクロCT、パノラマX線、デンタルX線 などがあります。
インプラントの位置、角度、長さ、必要本数 はレントゲンより得られた、その患者さんの歯槽骨の状態により決定されます。
②:咬み合わせ
模型をとってかみ合わせの状態や歯のサイズや形などを調べます。現在の咬合状態は問題ないのかどうか、歯のないところにどのような形でどのような大きさの歯を作るかを模型上でシュミレーションします。
③:全身状態
インプラントは口腔外科の小手術です。
手術を安全に行えるのか調べる必要があります。
心臓病、高血圧などインプラント手術や局所麻酔で病状が影響される疾患がないかどうか、
糖尿病など手術後の傷の治りに影響する疾患がないかどうか、ある場合はどの程度のリスクがあるかなどを調べる必要があります。常用薬がある場合、その薬でインプラントの治癒に影響するものもありますので詳しく調べます。インプラントを必要とする患者さんは中高年の方がほとんどですので、全身状態は細かく把握する必要があります。また顎関節の状態やある程度の時間口を開けていられるのかも調べます。インプラントドリルは長いので大きく口を開けられないと難しくなります。
④:歯周組織検査
インプラントの隣にある歯だけでなく、残っている歯すべての歯周病の検査をします。お口全体の健康の一助のために行われるインプラントですから。残存する歯の歯周病が管理されないままインプラントを行うことはありません。
⑤:付加的手術の必要度
インプラントを行いたい部位の歯槽骨が少ない場合や、隣接する下歯槽神経血管、上顎洞、鼻などとの距離がない場合など、そのままではインプラントを安定させる骨量が不足している場合は、骨量を増やす手術を追加する必要が出てきます。その必要度、リスクなどはX線マイクロCTで判断します。この手術をするしないで治癒l期間が大きく左右されるばかりでなく、骨を採取する部位の手術も必要になり傷は増えてしまいます。最近はインプラントを意図的に斜めに埋入したり、短いサイズのインプラントを用いたりすることで、骨を増やす手術や、上顎洞をさわる付加的手術をさけることができるうようになってきました。
⑥アレルギー検査:
インプラントで用いる 局所麻酔剤の種類、安全投与量
抗生物質や鎮痛剤の種類と安全投与量
付加的手術で用いる骨補填剤の種類
うがい薬
仮歯の材料
インプラント体 チタン合金
などなど、その患者さんに適する薬や材料の種類と安全量を調べることがあります。
安全にインプラントを行うには、必要な本数が多いほど、それだけ細かく情報収集しなければならないのですね。
インプラントで行われる診査
2009.12.16更新
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