インプラントの問題点 偶発症(ぐうはつしょう)について 2012 02 18
2012.02.18更新
歯科インプラントは、①口腔外科処置+②歯周病処置+③クラウンブリッジ補綴処置 の総合治療です。
3つの各治療分野にもそれぞれ偶発症状、トラブルというものが報告されています。
そのため、3つの治療学の総合治療であるインプラントではそれだけ多くの偶発症の可能性をはらんでいるといえます。
このブログでこれから数回に分けて、インプラントの負の側面~偶発症を中心に、取り上げていこうと思います。
■インプラントの関連する問題(偶発症を中心に)
■術中~術直後(~2週間)
上下顎共通:
・出血
・腫脹
・誤飲/誤嚥
・ショック
・顔面の腫脹
・顔面部の内出血斑
・感染→膿瘍
・開口障害
・咬合痛
・自発痛
下顎固有:
・オトガイ神経/下歯槽神経麻痺
・舌神経麻痺
・口腔底出血→気道閉鎖
上顎固有:
・鼻出血
・頬部腫脹
・蓄膿症
・鼻涙管損傷→涙眼
■上部構造装着後~長期
・咀嚼障害
・発音障害
・審美的問題
・潰瘍/口内炎
・顎関節症状
・舌や粘膜を噛んでしまう
・インプラント周囲炎
・インプラント骨結合喪失(Disintegration)
・インプラント上部構造脱落
・インプラントパーツ破損
・インプラント義歯破損
・インプラント周囲骨増殖生
上記のように、非常に多くの問題がありうる、ということがわかります。
上記のものはすべてこれまでに報告されているものです。
頻度は比較的多いものから極めて稀なものも箇条書きにしてあります。
インプラントに限らず、一般に外科処置というものは、偶発症というものはあると思います。
しかし個々の偶発症のリスクというものは個人差が非常に大きいものが多く、ある人は非常にハイリスクであるが、別の人は全く心配のない偶発症ということが結構あります。
なので偶発症については、「正しく怖がる!?」ということが大切です。偶発症の正体を明らかにし その人の場合には、どの偶発症のリスクがどのくらいか、どのようにすれば避けることができるのか、起きた場合にどうするのか、も含めて情報提供されてしかるべきです。
インプラントとは非常に有効な歯科治療手段の一つであり、世界中で何百万の人がその恩恵を得ていますが、その利点だけでなく、リスクにあたる部分も含めてなるべく正確に知ることが大切です。
次回以降、各偶発症について、個別に述べていきます。
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